だいすきな人が、悲しそうな顔をしている。
気がつかないわけがない。
だって、だいすきでだいすきで、毎日一緒にいるのにじっと見ていても飽きないんだから。
いつもわたしが困ったときには必ず助けてくれるあなたが、こんなに悲しそうにしている姿はこれまでに見たことがない。
4年前、一年間離ればなれになるとき。
あのときは、離れる直前の数週間、未来の話をしては寂しくなって、ふたりで涙を流したよね。
でも今は、あなたが一人、悲しい気持ちを抱えている。
誰にも言えずにいるのか、誰にも言いたくないのか、それさえもわからない。
わたしはどうしたら良いのかな。
そう思ったときにね、ふと浮かんだのがこの歌詞。
まるでこの世界の終わりみたい
そんな日も確かにあるYou are the only one
まるで隣にわたしがいるのを忘れてしまっているかのように、あなたは目に涙を浮かべている。
何かを考えているというよりは、自然に出てきてしまったそれを、こぼれ落ちないように必死になっているように見える。
生きていれば、いろんなことがあるから。
そんな日も、きっとある。
あゆちゃんがそう言ってるよ。
って、伝える。
それでね、あゆちゃんが言ったことには続きがあってね。
もし君が哀しい時は
世界一のピエロになるからYou are the only one
あなたを笑顔にするために。
あなたの前でおどけてみせよう。
あなたが笑っていてくれるのなら。
そんな贅沢は今は言わず、あなたの哀しみが少しでも和らいでくれるのなら。
ピエロになりきれないわたしは、あなたに「どうしたの?」と尋ねてしまう。
それでも、口を固く結んだままのあなた。
頑固なあなただけど、そんなところも含めてだいすきだよ。
だから、許してね。
あなたが悲しいときに、なんの力にもなれないと言って嘆く大バカ者のわたしを。
あなたがわたしを頼ってくれないことに、悔しがっているわたしを。
そういう気持ちを抑えながら一生懸命ピエロになろうとして、またいろいろと尋ねてしまうわたしを。
早く、あなたが心から笑える日が来ますように。
with LOVE, nana